クランクシャフトは自動車のエンジンに使われる重要部品です。クランク軸や曲柄軸とも呼ばれています。ピストンエンジンを動かす際の中心的な部品で、ピストンが行う往復運動をコネクティングロッドを繋ぎ回転運動へと変化させます。ピストンエンジンの仕組みの中で様々なクランクシャフトが使われ、クランクアームとクランクジャーナル、その間にクランクピンが存在します。
特殊鋼や炭素鋼、または特殊鋳鉄などが材質で、レース用の自動車にはクロムモリブデンが用いられている場合もあります。軸には耐摩耗性や耐疲労性を上げる高周波焼入れが行われています。更に、鋼を硬化させる浸炭や窒化が施される必要があり、きわめて頑丈な部品と言えます。
自動車の重要部品の中でも金属同士の接触が多く表面が摩耗しやすいので、一部分に大きな応力がかかる応力集中を避けるため、クランクピンやクランクジャーナルにはフィレットロール加工などを使い、疲労強度を上げる処理が行われています。
また、クランクシャフトに付けられている慣性力を軽減するためのバランスウェイトの数が多いと、振動が軽減され出力の向上が期待できますが、製造コストと重量が増加するため、自動車には目的と性能に合わせた数が取り付けられています。